トルコリラ円の具体的な収益シミュレーションをご紹介します。
今日現在で政策金利が50.0%という高金利通貨のトルコリラ。この通貨を活用した長期投資は、安定した収入源として一部の投資家の人気を集めています。では、トルコリラでのスワップ運用した場合は¥どれくらいの利益が期待できるのでしょうか?
トルコリラ円の現在のスワップポイント
まず、トルコリラ円の最新のスワップポイントを確認しましょう。2024年11月4日現在、外為どっとコムでは、トルコリラ/円の買いポジションに対して、10万通貨あたり1日430円のスワップポイントが付与されています。

高金利のトルコリラと低金利の日本円の金利差は大きいため、日々発生する額も大きくなる。
他の主要FX業者のスワップポイントも見てみましょう:
FX業者 | スワップポイント(10万通貨/日) |
---|---|
外為どっとコム | 430円 |
GMOクリック証券 | 450円 |
SBI FXトレード | 420円 |
※ 2024年11月4日時点のデータです。スワップポイントは日々変動します。
トルコリラ円の年利益率
では、このスワップポイントを基に、年間でどれくらいの利益が得られるか計算してみましょう。
シミュレーション条件:
①初期投資額は100万円
②レバレッジは3倍
③為替レートは1トルコリラ = 4.4円で固定。
④1日あたりのスワップポイントは430円/日(10万通貨あたり)。
⑤スワップポイントは貯めると仮定。
⑥為替レートの変動、税金、取引コストは考慮していません。
100万円の初期投資で、トルコリラ/円の買いポジションをレバレッジ3倍で持つ場合、約68万トルコリラを保有できます。そうすると、その翌日から1日あたり2931円のスワップポイントを得ることになります。
そのポジションを持ち続けた場合の1年間のシミュレーションです。
経過日数 | 投資額(円) | 日次スワップポイント(円) | 累計収益(円) | 収益率 |
---|---|---|---|---|
1日目 | 1,002,931円 | 2,931円 | 2,931円 | 0.29% |
30日目 | 1,087,954円 | 2,931円 | 87,954円 | 8.80% |
90日目 | 1,263,863円 | 2,931円 | 263,863円 | 26.39% |
180日目 | 1,527,727円 | 2,931円 | 527,727円 | 52.77% |
270日目 | 1,791,590円 | 2,931円 | 791,590円 | 79.16% |
365日目 | 2,070,113円 | 2,931円 | 1,070,113円 | 107.01% |
このように1年間で約107%の収益率が計算できます。レバレッジ3倍は決してリスクが高いわけではないのですが、1年の保有で資産が2倍以上になる計算です。



日数が経つほど実効レバレッジも下がりロスカットリスクも低下する運用方法
積立専用口座で複利運用をすると
上記のシミュレーションは初期に保有したトルコリラ円を持ち続けた場合の結果(単利運用)です。
同じ初期投資100万円を、外為どっとコムが提供する外貨積立サービス「らくつむ」で運用すると、日々貯まるスワップポイントを翌日に再投資(複利運用)することができます。



貯まったスワップポイントで毎日リラ円の買付をします
単利運用と複利運用の違いは下記の画像がわかりやすいです。


引用:FXクイックナビ
複利運用の際は毎日再投資をするので保有するトルコリラの額が増えていき、日々貯まるスワップポイントも増えていきます。
シミュレーション条件:
①初期投資額は100万円
②レバレッジは3倍
③為替レートは1トルコリラ = 4.4円で固定。
④1日あたりのスワップポイントは430円/日。
⑤スワップポイントは毎日再投資すると仮定。
⑥為替レートの変動、税金、取引コストは考慮していません。
では、毎日スワップポイント(SP)を再投資する複利運用した場合の1年間のシミュレーション結果をご覧ください。
経過日数 | 投資額 | 1日あたりのSP | 累計収益 | 収益率 |
---|---|---|---|---|
1日目 | 1,000,000円 | 2,931円/日 | 2,931円 | 0.29% |
30日目 | 1,090,959円 | 3,196円/日 | 90,959円 | 9.10% |
60日目 | 1,191,848円 | 3,491円/日 | 191,848円 | 19.18% |
90日目 | 1,303,597円 | 3,820円/日 | 303,597円 | 30.36% |
180日目 | 1,601,298円 | 4,691円/日 | 601,298円 | 60.13% |
270日目 | 1,968,143円 | 5,767円/日 | 968,143円 | 96.81% |
365日目 | 2,564,212円 | 7,513円/日 | 1,564,212円 | 156.42% |
この結果から、100万円は256万円になり、1年間で約156%の収益率が期待できることがわかります。
単利運用の時と投資額(100万円)は変わらない中、約50万円も利益が上昇しています。しかも、複利運用の際も自動的に再投資されるので初回取引以降はただ放置しているだけです。



放置してても複利効果で雪だるま式に獲得スワップ額が増える
ただし、これは為替レートの変動を考慮していない理想的な状況下でのシミュレーションであることに注意が必要です。
初期投資100万円でトルコリラ円で10年間複利運用すると
さらにこの運用を10年間続けた場合のシミュレーションです。
経過年数 | 投資額(円) | 1日あたりのSP | 累計収益(円) | 収益率 (%) |
---|---|---|---|---|
0年目 | 1,000,000円 | 0円/日 | 0円 | 0% |
1年目 | 2,564,212円 | 7,513円/日 | 1,564,212円 | 156% |
2年目 | 6,579,825円 | 19,765円/日 | 5,579,825円 | 557% |
3年目 | 16,887,344円 | 50,091円/日 | 15,887,344円 | 1,588% |
4年目 | 43,369,525円 | 128,249円/日 | 42,369,525円 | 4,236% |
5年目 | 1億1100万円 | 約33万円/日 | 1億1000万円 | 1.1万% |
6年目 | 約2億8600万円 | 約84万円/日 | 約2億8500万円 | 2.8万% |
7年目 | 約7億3500万円 | 約217万円 | 約7億3400万円 | 約7万% |
8年目 | 約18.8億円 | 約558万円 | 約18.8億円 | 約18万% |
9年目 | 約48.5億円 | 約1436万円 | 約48.5億円 | 約48万% |
10年目 | 約125億円 | 約3700万円 | 約125億円 | 約125万% |
このように、とんでもない数字になります(笑)。初期投資100万円が10年間で約125億円になる計算です。
さすがに50%という異常な高金利が10年間も続くことは考えられず、為替レートが動かない前提も非現実ではありますが、高金利通貨での複利運用はとても大きな力を持ちます。



トルコは高金利政策で通貨の安定を図っているから、それほど非現実でもないかも
初期投資100万円がロスカットされるシミュレーション
最後にリラ安円高に振れた場合の想定をします。
外為どっとコムが提供する外貨積立サービス「らくつむ」はロスカットラインが低く30%(維持率)で、一括投資で使う外貨ネクストの場合は100%(維持率)となっています。
まず、100万円でレバレッジ3倍でトルコリラ円を1トルコリラ=4.4円でロングすると68.2万通貨を保有することになります。
この場合のロスカットラインは、
<ロスカットライン>
・外貨ネクストネオで1トルコリラ=3.134円
・らくつむでは1トルコリラ=0.440円
上記の価格の時となります。
つまり、外貨ネクストネオでは約1.26円の値幅で、下落率は-28.8%で、らくつむでは約4円の値幅で、下落率は約-90.0%です。
そして、この値幅はスワップポイントが日々貯まることで着実に遠のいていきます。
100万円で68.2万通貨のトルコリラ円を保有した場合、単利投資で毎月約88,000円の証拠金が増えていくので、それを前提とした場合の外貨ネクストネオ(ロスカットライン=維持率100%)でのロスカットシミュレーションは以下のように推移します。
<単利運用でのロスカットライン>
経過日数 | 投資額(円) | 累計収益(円) | ロスカットライン |
---|---|---|---|
0日目 | 1,000,000円 | 0円 | 3.134円 |
1日目 | 1,002,931円 | 2,931円 | 3.129円 |
30日目 | 1,087,954円 | 87,954円 | 3.005円 |
90日目 | 1,263,863円 | 263,863円 | 2.747円 |
180日目 | 1,527,727円 | 527,727円 | 2.36円 |
270日目 | 1,791,590円 | 791,590円 | 1.973円 |
365日目 | 2,070,113円 | 1,070,113円 | 1.667円 |
以上のように、1年後にロスカットされるのは1トルコリラ円=1.667円になった時です。



昨今の相場状況から、1ヶ月後にリラ円=3.0円も、1年後にリラ円=1.6円も考えづらいほどに安い
まとめ
100万円の投資額でレバレッジ3倍での運用をシミュレーションしましたが、やはり高金利通貨のスワップポイントの力強さを証明することになりました。さらに複利運用した場合はさらに力を発揮します。ただし、政策金利が50%のまま維持されることは考えづらいです。
とはいえ、現状でのシミュレーションでは、トルコが高い政策金利(20~50%)を維持している間は「トルコリラ円を握り続ける限り収益期待は高い」と言えます。
保有し続けることでロスカットリスクも下がるため、下落トレンドが続く場合も、どこまで握り続けられるかが勝負のカギとなりそうです。